2020-07-04
起業間もない方だけでなく、経理が必要なのはわかるが「とっつきにくい」と思っている経営者の方にもオススメです。
本書は経理会計の教科書的な本ではありません。
決算書から読み取れる情報を経営にどう役立てるかという観点から書かれています。
平易な文章とわかりやす例え話しのおかげで、経理知識がない方にも読みやすいと思います。
冒頭の「はじめに」から印象的な一文がありましたので引用します。
”…多くの経営者やビジネスパーソンに接してきました。そうした活動のなかで気がついたことがあります。彼ら彼女らは自社のビジネスの話はとても熱心に語るのに、会計の話になったとたんに逃げ腰になります。会計数字の裏づけがないため、事業の内容を聞いてもまったくピンときません。「会計」や「簿記」に自分から壁を作ってしまっていて、そのあたりは経理担当者や顧問税理士に任せっきりのようです。会計など知らなくてもよいと思っているのでしょうか。”(p3-4)
ビジネスの将来予測や資金計画を立てるには過去のビジネスの結果をタイムリーに知る必要があります。
本書はそのことをうまく伝えていると思います。
特にキャッシュフロー管理の重要さを説いた第2章は必読です。
せっかく時間とコストをかけて日々帳簿をつけていても、それを年一回の決算と申告のためだけにしては宝の持ち腐れです。
会計データの活用法を知っている経営者は、日記を読み返して過去の出来事を将来の教訓にするように、帳簿から経営判断に役立つ情報を拾っているのだと思います。
新入社員から社長まで ビジネスにいちばん使える会計の本
安本隆晴〔著〕
ダイヤモンド社(2016年4月)
ISBN:978-4-478-06803-8
1,400円(税別)