Takashi Yamaguchi, English Speaking Japanese Tax Accountant
Tel/Fax : 03-6312-3320
営業時間 : 9:00 - 18:00 (月~金)

「こだわり」と「妥協」

ヤマグチの故郷である宮崎は完全に「うどん」文化の勢力下にあります。
したがって、蕎麦はマイナーな位置づけで「うどん屋」のサイドメニュー的扱いです。
「蕎麦屋」として看板を出している店は少なく、私も高校時代によく行ったうどん屋(高校「そば」なのに「うどん屋」!)で蕎麦を食べた記憶がありません。
しかし、東京では蕎麦党に転身します。
大学生のときに東松原(東京都世田谷区)にあるお蕎麦屋さんで1年ほどアルバイトをしていました。
まかないで毎日お蕎麦をいただきましたが、全く飽きることなく、自分が蕎麦好きであることを自覚したのもその頃です。
かんだ やぶそば」さんや「神田まつや」さん、「神田錦町 更科」さんといった名店のご近所に事務所を構えることができて大変うれしく思っております。

小さな名店発見!

事務所から歩いて30秒ほどのところに一軒のお蕎麦屋さんがありました。
間口は狭く、見た目は立ち食いそば屋ですが、立派な蕎麦をだすお店でした。
東京の有名な老舗で修業をされたそうで、納得のクオリティーです。
ご主人おひとりで出汁、具、薬味を仕込み、日に何度も蕎麦を打つのですから超多忙です。
5~6人もお客さんが入れば満員のお店ですが、店舗のキャパよりもご主人のキャパが心配というくらいお客さんが入っていました。
立ち食いそばのつもりで入ったお客さんは高くて驚くでしょうが、蕎麦通なら安くて驚くような良心的な値段です。
4月のある日、日本通で蕎麦には一家言もつ外国人とランチに行ったところ彼も大絶賛でした。
小さな名店を見つけて我々はホントにハッピーでした。

突然のお別れ・・・

その彼のアンコールでゴールデンウイーク明けにそのお店に行く約束をしたのですが、実現することはありませんでした。

そのお店は閉店してました。

ご主人はお昼時でも蕎麦を作り置きせず、まめに新しいお蕎麦を打っていました。
納得いく出汁がとれず、店を開けない日もありました。
そんな「こだわり」があのクオリティーを支えていたのです。
しかし、コストを抑えるための「ワンオペ」は限界に達していたようです。
アルバイトといえど蕎麦屋の厨房に立ったことがある私にはご主人の努力と苦労を想像できます。
閉店を告げる手書きの告知からは無念さが読み取れます。
拝読して涙が落ちそうでした。
「こだわり」が感じられるご主人でしたから、値段や質で「妥協」してまで商売を続けたくないと思われたのでしょう。
どんな商売も持続可能性がなければ成り立ちませんが、「ごだわり」や「誇り」をなくした商いもそう長くは続きません。
商売を長く続けるコツはある意味「こだわり」と「妥協」のバランスにあるのかもしれません。
言うは易し、するは難し….「こだわり」をもってフリーランスになった私もそのうち同じ課題に向き合うことになると覚悟しています。

「こだわり」続けるためにも業務効率化は必要

「また始まった・・・」と思われるかもしれませんが、言わせてください。
バックオフィス業務自体は付加価値を産みません。
ちゃんとできて当たり前のことです。
しかし、バックオフィス業務がちゃんとできることで、経営者やフロントが付加価値を創造できるのです。
競馬に例えれば、ジョッキーと競走馬がよいレースをできるのは厩務員の方々がきちんと仕事をしているからです。
個人事業者や「一人社長」は一人でジョッキー(社長)、競走馬(フロント)、厩務員(バックオフィス)をこなさねばなりません。
短期間ならともかく、忙しくなってくると一人三役は疲れます。
疲れると、思うように頭や身体が動かず、自分の仕事ぶりに満足できなくなります。
「こだわり」が強ければ尚そうなるでしょう。
思い切り「こだわり」続けたいなら、良い馬と良い厩舎を手に入れることです。
どちらもタダでは手に入りません。
そのために一時の間「こだわり」を脇に置いて時間とお金を稼いでも、それは「妥協」ではありません。
お店のファンならちょっと値上げしたって文句は言いません

蕎麦屋のご主人にもそのことをお伝えしたかったです。

小さな名店「時司」・・・再開を願ってます。

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