Takashi Yamaguchi, English Speaking Japanese Tax Accountant
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クラウドサービスとリバースチャージ(1)

「リバースチャージ」という言葉を聞いたことありますか?
もともとはヨーロッパの付加価値税の用語なのですが、2015年10月以降日本の消費税にも同様の制度が導入されています。
簡単にいうと海外の業者からインターネットを利用したサービスの提供*を受けると、サービスを利用した人が、海外の業者に代わって消費税を国に申告・納税するという制度です。
* これを消費税法上「電気通信利用役務提供」といいます。なんとも堅苦しいネーミングです。

「ん?よくわからん」って感じですよね。
でも、クラウドサービスなどインターネットを使ったサービスが普及している世の中ですから、課税事業者として消費税の確定申告をされている方、これから課税事業者になる予定の方に影響しうる話しです。
なので、少しゆっくりめに説明します。

身近に実例がありました

ヤマグチはEvernoteというアプリを使ってます。
メモや写真、インターネットの画面のスナップショットなど、いろんなものをクラウド上に保存しておいて、いつでもPCやスマホなど複数のデバイスで見ることができます。
ブログのネタを思いついたときにスマホからメモっておき、電車の中や自宅で構成・下書きし、それを事務所のPCで仕上げてHPの投稿画面に貼り付ける、といった具合にフル活用しています。


最初は無料お試し版を使っていたのですが、すぐストレージの上限に達したので、有償版に切り替えました。
請求書を見てみると消費税の表示がありませんでしたが、脚注に「アメリカ・カナダではアメリカ法人、それ以外ではスイス法人が開発元です」という表示がありました。

消費税に詳しい人なら、これだけで「あっ、これは国外からの『電気通信利用役務提供』だから消費税がないんだな」と納得できるでしょうが、もうちょっと説明があってもいいんじゃない?と思っていたら、同社HPの「ヘルプ&参考情報」にこのような告知がありました
掲示場所が目立たないという難点はありますが、ヒントはありました(もっとも、ヤマグチが利用しているプランそのものに関する告知ではありませんでした)。

消費税の「内外格差」問題

普通の取引の場合は、消費者が業者に代金といっしょに消費税を払います。
一方、業者もモノやサービスを別の業者から仕入れるときに、代金といっしょに消費税を払っています。
業者は確定申告で、①これだけ売り上げがあって、これだけ消費税をお客さんから預かってました!という金額と同時に、②これだけ自分の仕入れがあって、これだけ消費税を仕入れ先に払いました!という金額も申告します。
①を「売上げに係る消費税」、②を「仕入れに係る消費税」といいます。
確定申告の内容が、①>②ならその差額を国に納税します。
①<②なら差額が国から還付されます。

ただし、これは申告する業者が日本国内にいる場合の話しです。
業者が外国企業の場合は、日本で消費税の申告・納税義務がないので、そもそも、海外からの請求には日本の消費税がかからないのが原則です。
一方、国内業者からの請求には消費税がかかります。
インターネット経由のサービスなど、業者の所在地に関係なく同じサービスを提供できるビジネスモデルなら、ユーザーは消費税を請求しない海外の業者を選びがちです。
そうすると、国内業者も負けじと国外にでて、海外からサービスを提供するようになるかもしれません。
そんなことになると、日本の税収が減ってしまうので、国は消費税法を改正して、外国業者が提供するサービスのうち一定のものに対して消費税を課税できるようにしました。
その方法の一つがリバースチャージです。

また、長くなってしまいました…次回に続きます。

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