Takashi Yamaguchi, English Speaking Japanese Tax Accountant
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クラウドサービスとリバースチャージ(2)

前回からの続きです。

国が国外事業者に消費税を課税する方法には2通りあります。

B2C(Business to Consumer)の場合

一つは、国外事業者自身に日本で申告・納税させる方法です。
国外事業者が国内の一般消費者を対象に提供しているサービス(いわゆるBtoCとかB2C)についてはこの方式によることになっています。
国外のB2C業者は国内の事業者と同様に、代金と一緒に消費税を国内消費者から集めて、あとで国に消費税の確定申告をして納税もします。
いわば、国外事業者を国内事業者と同じ立場にする方式です。
この方式により申告・納税する国外B2C事業者は「登録国外事業者」と呼ばれており、国税庁が名簿を公表しています(定期的に改訂されます)。
この名簿に載っていない業者が請求額に消費税をのっけてきたら、「あんた日本で納税してないでしょ?なのになんで消費税を転嫁してくんの?」と文句がいえるということです。

B2B(Business to Business)の場合

もう一つが「リバースチャージ」方式です。
この方式は、国外事業者が国内事業者を対象に提供しているサービス(いわゆるBtoBとかB2B)について適用されます。
前回ご紹介したEvernote社の告知は、同社の事業者向けサービス(Evernote Business)がB2Bに該当し、リバースチャージの対象になるという内容でした。
この方式では、サービスを提供する国外事業者にかわって、サービスを買った国内事業者に消費税の申告・納税をさせます。
いわば、国内事業者に自分あてに消費税を払わせ、自分から預かった消費税を①「売上に係る消費税」として確定申告させるようなものです(あくまでも例えです。実際には自分あてに消費税を払ったりする必要はありません)。
自分が自分に払った消費税は、同時に②「仕入れに係る消費税」として取り扱われます。②は「課税売上割合」に応じて①から控除されるので、①ー②✕課税売上割合=実際に国に納税するB2B消費税ということになります。

消費税法上、B2Bで国外事業者から買ったサービスは「特定課税仕入れ」と呼ばれます(ちなみに他の国内事業者から買ったB2Bサービスは単に「課税仕入れ」と呼ばれます)。

適用されるかは条件次第

国内事業者のすべてがリバースチャージ方式で消費税の確定申告を義務付けられるわけではありません。
以下の要件のすべてに該当する場合だけ、リバースチャージ方式による申告が必要となります。

  • 消費税法上の課税事業者として消費税の納税義務者にあたる
  • 簡易課税制度の適用を受けていない
  • 課税売上割合が95%未満である。
  • 特定課税仕入れ(国外事業者からのB2Bサービスの購入)がある

つまり、今現在リバースチャージ方式による申告が不要であっても、将来「課税売上割合」と「特定課税仕入れ」の有無に変動があれば、必要になるかもしれないということです。
しかし、課税売上割合がどのくらいになりそうか、自分(自社)に「特定課税仕入れ」があるのか、を日頃から気にしていただければ、次の申告時にあわてなくで済むはずです。

そのためにも、会計帳簿は正確かつタイムリーに記帳していきましょう。

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