Takashi Yamaguchi, English Speaking Japanese Tax Accountant
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クラウド会計が放つキラーパス!

これまでブログで何度かご紹介したクラウド会計。
人手が足りなくて経理まで手が回らない!という方にこそ知っていただきたい、使っていただきたい道具なのですが、忙しすぎて試すどころではないという方が多いようです。
ということで、「試す」前にそもそもクラウド会計が自分の業態にフィットするのか、導入したコストに見合うメリットが見込めるのか、そのあたりの疑問をお持ちの方に情報を提供できないものかと思案しているところです。

確定申告間際にありがちなこと

日々の経理処理を先送りにしてきたために、レシートの山を前に「どうしよう」という状態で税理士に突然の縦パス。
確定申告間際に「さぁ走れ!」といわれても大抵の税理士は追いつけません。
中には驚異的な身体能力で対応できる先生もいますが、時間的プレッシャーの中でそんなパスを受けてくれる相手に出会えるかは賭けです。

税理士の立場からいうと、レシート・請求書をもとに「いつ」「どこで」「何を」「何のために」「誰に」「いくらで」経費を払ったのか、売上げがあったのか、だけでも記録してもらえれば、帳簿がちゃんとしていなくても、何とかなります。

複式簿記の仕訳(貸借にちゃんと勘定科目が入っている)の体裁になっていなくても、消費税がいくらかわからなくても、個々の収入・支出とそのサポートになるレシート・請求書(こういった「証拠」っぽい書類を「証憑」といいます)がセットになる形で整理されていれば、「とりあえず」決算・申告=シュートは打てます。

もっとも、最終的にゴールを決めるのは税理士ではなくお客様です。
税理士はお客様の依頼を受けて決算・申告を代行します。
いわばお客様から出したパスを一旦受け止めて、ゴール前のお客様に決定的チャンス(キラーパス)をくりだすのが我々の仕事です。
「確実な」決算・申告=ゴールを決めるために、税理士がいろいろお尋ねしたり、追加で資料をお願いすることになります。
どれだけ精度の高いキラーパスを返せるかは、お客様からのパス(情報共有)のタイミングと精度にかかっているのです。

パス回しから生まれるチャンス

サッカーのたとえ話をつづけます。
お客様がボール(証憑などの情報)をキープしつづけているうちはゴールへのチャンスは生まれません。
早めに税理士にパスすれば、序盤から得点(余裕をもった決算・申告)の機会をうかがうこともできますし、敵(税務署)にボールを奪われて失点(税務調査による決定・更正)のリスクも減らせます。
きわどいパスは敵とのコンタクトによるペナルティー(過少申告・期限後申告)のリスクを増大させます。
余裕をもった速いパス回しがチャンスを生み、リスクを減らすのです。
では、どうやったら忙しいお客様が素早くボールをさばけるようになるのでしょう?
お客様自身がボールさばきが苦手なら、それが得意な人に任せればよいのです。

一つは、他人に丸投げというやり方があります。
証票を税理士にポンっと渡して「後はよろしく!」という従来からある「記帳代行」を使う方法です。
お客様にとっては、この上なく楽な方法ですが、それなりにお金がかかりますし、税理士への依存を強めることになります。
それでもいいという考え方もありますし、私自身もそれを否定しませんが、経理業務を100%外注し続けることには事業継続性の観点からリスクがあることを覚悟すべきです。

もう一つは、できるところまでやって、途中からパスするというやり方です。
ある程度自分で帳簿をつけて、わからないところや決算・申告のときに税理士に見てもらう、という方法です。
これなら、自分でボールのさばき方を覚えるようになりますから、いつまでも税理士に頼らなくてもすみますし、税理士に支払う報酬も減らせます。
問題は、慣れるまで手間と時間を要する、慣れたとしてもそれなりに時間をとられるということでしょう。
実際のところ、事業の内容がそう大きく変わらない限り、経理業務はルーティンワーク化してきます。
慣れてくれば、判断に迷うことも減るでしょうから、処理スピードもあがってきます。
しかし、単純作業に費やす時間はどうやってもゼロにはできません。

  • レシートの内容を帳簿に転記
  • 預金通帳に記録された入出金の内容を確認して帳簿に転記
  • 納品書・請求書をみて帳簿に売上げを計上

これらの作業は誰かが入力した数値のアウトプットをみて、その数値を二次的に加工する単純作業です。
単純作業をゼロにすることはできませんが、ゼロに近づけることは可能です。
「記帳代行」はお客様での単純作業をゼロにできますが、税理士に対価を払って代行させているだけです。

そこで、クラウド会計の出番です
クラウド会計を使っても単純作業をゼロにすることはできません。
しかし、活用法によっては、ゼロに近づけることが可能なのです。
とくに、お客様と顧問税理士の両方が同じクラウド会計を利用しているときには、限りなくゼロに近づけることも夢ではありません。

クラウド会計を使った「パス回し」

では、クラウド会計を使うと「パス回し」はどんな風になるのでしょう?
こんな感じです。(スマホでは見にくい絵です。すみません。)

日々の帳簿への記帳→月次・年次決算→確定申告という一連の数字の流れにはつながりがあります。
毎日の会計処理の積み重ねが申告につながっているということです。

外部データ ⇒ お客様

パスの起点は「外部データ」です。

  • 取引先からもらった請求書
  • 買い物してもらったレシート
  • 銀行の口座取引履歴
  • クレジットカードの利用明細
  • レジから出力した売上データ

これらの外部データはもともと他人が作成したもので、それを二次的に帳簿に転記したり、経理ソフトに入力して帳簿化されています。
クラウド会計は、この外部データの帳簿化が得意です。

典型例はインターネットバンキング、カード利用明細の自動取込です。
登録した口座の取引履歴をインターネット経由でクラウド会計にダウンロードできます。
これだけで、銀行に行って、通帳記入して、持ち帰った通帳をみながらPCに入力、もれがないかデータと通帳を突き合わせてチェックする・・・といった作業をなくせます。
金額だけではなく、取引の摘要欄のデータも取り込まれますから、取引伝票や仕訳明細への転記も不要です。
それを見て取引内容を判断して、計上すべき勘定科目を入力すれば、それが仕訳として登録されます。

データ取り込みは手動でも自動でもできます。
自動処理させれば定期的に取引履歴を取り込んで、「取り込み済みデータのうち○○件が未処理です」といったお知らせが画面上表示され、仕訳処理を促します。
この「お知らせ」はメールでスマホ・携帯に送信することもできますから、いちいちアプリを立ち上げて表示を確認する必要もありません。
クラウド会計に直接取り込むのは「怖い」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
メジャーな運営会社に関してはセキュリティーの心配はないと思うのですが、不安な方には、インターネットバンキングからダウンロードしたデータをCSVファイルでクラウド会計にアップロードする方法をおすすめします。

データはPDF・JPEGなどのイメージファイルでも取り込めます。
領収書、請求書等をスキャナーでファイル化し、各仕訳データに証憑として添付することで、取引日、金額、相手先、費目のチェックを効率的にできます。

お客さんが受け取った外部データをここまでの状態にしてから税理士にパスしてくれると、税理士にとって「いいパス」になります。

お客様 ⇒ 税理士

お客様が税理士にクラウド会計へのアクセスを許可してくれれば、税理士はダイレクトにパスを受け取ることができます。
クラウド会計のデータにはユーザーがコメントをつけることができます。
お客様が質問や連絡事項をコメントボックスに「投稿」すれば、税理士はそれをみて必要なアクションをとることができます。
いちいちメールでやり取りしなくても、気になるデータに直接コメントできるので「アイコンタクト」もばっちりです。
受けたコメントにコメントを追加することもできますので、自然に経緯と顛末を記録として残せます。
こうしたコミニュケーションに費やす労力はばかになりませんし、怠ればミスにもつながるリスクもあります。
クラウド会計を利用すれば、そのような労力とリスクを大幅に削減できます。

また、クラウド会計にはAIが組み込まれており、過去の経理処理の履歴を参考に、新たに取り込んだデータの会計処理を推測して提案する機能を備えています。
会計処理の件数が増えるにつれ学習効果が発揮されますから、しばらく使っているうちに推測の精度が向上してきます。
このレベルまでクラウド会計を使いこなせるようになると、税理士にとっては「最高のパス」になります。

税理士 ⇒ お客様

税理士はお客様のクラウド会計に直接アクセスして経理処理を完成させます。
税理士が処理した履歴はクラウド会計に記録されますから、あとでお客様で確認することも容易です。
取引データに税理士がコメントを残すことで、経理処理に関するノウハウや経緯をお客様と共有できます。
このように、「どのような作業をしたのか、お客様にとってわかりやすい記録を残す」という視点を欠いている、あるいはそれが必要だとわかっていても実行できていない税理士は少なくないのではないかと思っています。
税理士がクラウド会計を活用すれば、お客様との情報共有がはかどるはずです。
単なる省力化のツールとしてではなく、コミニュケーションのツールとしてもクラウド会計は威力を発揮します。

他のクラウドサービスともつながる

クラウド会計には「チームメイト」がいます。
人事労務系(給与計算・勤怠管理)、経費系(立替経費の精算)、営業支援系(顧客管理、売上管理)のクラウドサービスと連携すると、関連する経理処理が自動化できます。
各従業員が直接クラウドサービスに登録・入力したデータを使って給与計算、経費精算、請求書発行・売上計上ができるので、管理部門の手間を大幅に減らすことができます。
社員数が増えて管理部門の事務処理が追い付かなくなりつつある企業におすすめです。

年末調整や支払調書の作成・提出も楽になります。
いちいち支持を出さなくても「あうんの呼吸」でパスを出してくれる頼もしい相棒とったところでしょうか。
こういうチームメイトがいると、あっちこっちにボールを追いかけて一人で走り回る必要がありません。

ゴールまでつながる

クラウド会計は電子申告に対応しています。
これは税理士が申告作業をする際に強力なアシストになります。
とりわけ、個人事業者の方の場合、日々の経理処理の結果がそのまま申告に利用できる「シームレス」な関係なので、クラウド会計を利用するメリットを最大限に享受できます。

従来どおり紙ベースでの申告にも対応できますが、クラウド会計を利用するなら電子申告までの活用をおすすめします。
紙にアウトプットした申告書を税理士からお客様に郵送して、それにお客様が記名・押印してから税務署に郵送・持参という手間を省けます。
申告期限ぎりぎりという「アディショナル・タイム」に無駄な動きは百害あって一利なしです。
単純作業を減らし、最小限の労力とコストで正確なゴール(決算・申告)を狙えるのがクラウド会計の真骨頂です。

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クラウド会計を利用することで税理士はもっと付加価値の高いサービスを提供できるとヤマグチは思ってます。
使っていただかないことには、その付加価値を実感してもらえませんが、「感じ」だけでもお伝えできれば幸いに思います。
お問い合わせいただければ、個別にプレゼンさせていただきます。
もちろん無料です。お気軽にどうぞ。

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