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実質的には二つで一つの制度で、いずれか一方しか適用できない仕組みになっています。
配偶者の合計所得金額が38万円以下なら「配偶者控除」、それを超えるなら「配偶者特別控除」を適用します。
平成30年分の申告から制度が変わって、本人(申告者)と配偶者の所得金額の組み合わせで控除できる金額が決まるようになりました。
実際にどう決まるかは、下記の表(平成30年分所得税及び復興特別所得税の手引き・確定申告書B用 p20)をご参照ください。
本人の合計所得金額が1,000万円を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除のいずれも適用できません。
「配偶者控除」については配偶者が70歳以上の場合に控除額の割増しがありますが、「配偶者特別控除」にはありません。
以下の要件をすべて満たす方(控除対象扶養親族)です。
ちなみに、本来「親族」でない以下の方々も扶養控除の適用にあたっては「親族」に含まれます。
また、控除対象扶養親族のうち年齢19歳以上23歳未満の方(特定扶養親族)、70歳以上の方(老人扶養親族)については控除額の割り増しがあります。
12月31日時点の現況で判定します。
ただし、年の中途で亡くなった方については、その死亡の日の時点で判定します。
確定申告書の提出義務のある方が年の中途で亡くなった場合、その相続人の方が本人に代わってその年の確定申告書を提出する義務を負います(所得税法125条)。
確定申告書の提出義務のある方が年明けに確定申告書を提出する前に亡くなった場合も、同様です(所得税法124条)。この場合は、前年の確定申告書と、当年の確定申告書(1月1日から死亡の日までの所得に関する確定申告書)の両方を提出することになります。
いずれの場合も、申告期限は相続の開始があったことを知った日(普通は本人(被相続人)の死亡の日)から4か月以内です。
相続人が2人以上いるときは、以下のような付表に各相続人が連署して、確定申告書を提出することになります。
相続人付表確定申告書の提出義務のある方が年の中途で海外に転居する場合、日本から出国するまでに、その年の1月1日から出国日までの所得について確定申告書を提出しなければなりません(所得税法127条)。
確定申告書の提出義務のある方が年明けに海外に転居する場合も同様に出国の日までに確定申告書の提出が必要です(所得税法126条)。この場合は、前年の確定申告書と、当年の確定申告書(1月1日から出国の日までの所得に関する確定申告書)の両方を提出することになります。
納税額があるときは、出国するまでに所得税の納付も済ませる必要があります(所得税法130条)。
忙しいですね。
ちなみに「出国」については、所得税法に以下のような定義があります。
出国(所得税法2条42号)
居住者については、国税通則法第117条第2項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしないで国内に住所及び居所を有しないこととなることをいい、非居住者については、同項の規定による納税管理人の届出をしないで国内に居所を有しないこととなること(国内に居所を有しない非居住者で第164条第1項第1号から第3号まで(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者に該当するものについては、これらの号に掲げる非居住者のいずれにも該当しなくなることとし、国内に居所を有しない非居住者で同項第4号に掲げる非居住者に該当するものについては、国内において行う第161条第2号(人的役務の提供事業に係る対価)に規定する事業を廃止することとする。)をいう。
ということで、出国前に「納税管理人」の届出をしておけば、所得税法上「出国」したことにならないので、あわてて申告・納付する必要がありません。
「納税管理人」とは、納税義務者に代わり、納税に関する書類の受領、納税や還付金の受領などの一切の手続きを管理する代理人のことです。
海外に転居後もいろいろ日本での申告・納税手続きが必要になりそうな方は、出国前に納税管理人の届出を税務署・市区町村にしておくとよいでしょう。
これについては巷で「不要説」があるようですが、結論としては必要です。
記載なしでも当面の間、税務署が確定申告書を受理することにしていること、不記載に対する罰則がないことから「不要」と考える方がいらっしゃるようですが、法律上は記載が義務付けられています(所得税法120条11号、所得税法施行規則47条)。
できます。
確定申告書は本人名義で作成していただく必要はありますが、提出は家族の方が代理できます。
代理提出する際でも「本人確認書類」は本人のものが必要です。
代理人の方の書類は不要です。
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来週・再来週が確定申告シーズンのピークです。
作成する方(納税者・税理士)も、受け取る方(税務署)も多忙な時期です。
風邪などひかないよう、ご自愛ください。