Takashi Yamaguchi, English Speaking Japanese Tax Accountant
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年末の税務手続き

いよいよ2019年も残り1週間を切りました。
歳末に向けて商売や家族とのイベントで忙しい時期ではありますが、この時期に忘れてはならない税務手続き、この時期から準備をしておいた方がよい税務手続きをご紹介いたします。

年内に必要な手続き

消費税関係の届出

消費税の申告にあたっては、納税者が任意に選択できる特例がいくつもありますが、そのほとんどは事前に税務署に選択の届出をしておくことが適用要件になっています。
個人事業者と12月決算法人の場合、翌年から特例の適用を受けるためには年末までに税務署へ届出書を提出しておく必要があります。
代表的な特例として以下の二つがあります。

免税事業者の課税事業者選択

小規模事業者は消費税を納税義務が免除されています(消費税法9条1項)ので、消費税の確定申告も必要ありません。
「小規模事業者」とは、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者をいいます。
「課税期間」とは、原則として、個人事業者の場合は暦年(1月から12月までの1年間)、法人の場合は定款で定める事業年度のことをいいます。例外的に選択によってこれを短縮することもできますが、ここでは原則的な課税期間(暦年ないし事業年度)を前提に説明します。

納税義務を免除されている事業者(免税事業者)であっても、課税事業者となることを選択して確定申告することもできます(消費税法9条4項)。
免税事業者が課税事業者になるメリットは、売上を上回る仕入れや設備投資があった課税期間について消費税の還付を受けることができることです。
消費税の還付を受けるためには消費税の確定申告をしなければなりません。納税義務のない免税事業者のままでは、確定申告をしたくてもそれができないため、還付を受けたい事業者には課税事業者になる選択肢が与えられています。

この課税事業者の選択をするには「消費税課税事業者選択届出書」という書類を税務署に提出しなければなりません。この選択届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から課税事業者になります。

簡易課税制度

「簡易課税制度」とは、消費税の確定申告をするにあたって、簡便な方法で納税額を計算できる特例です。
本来は仕入にかかる消費税(仕入先等に支払った消費税)の額をレシート・請求書・帳簿等で確認して「仕入税額控除」の額を集計して申告すべきですが、この特例のもとでは、売上にかかる消費税(お客さんから預かった消費税)の額の一定割合を仕入にかかる消費税の額だとみなして申告できます。
この特例はその基準期間における課税売上高が5,000万円以下である課税期間について適用できますが、事前に税務署に「消費税簡易課税制度選択届出書」という書類を提出しておくことが適用要件になっています(この選択届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から適用できます)。

年末調整

従業員を雇用している場合、各年最後の給与(賞与を含む)の支払い時に源泉所得税の「年末調整」をしなければなりません。
年末調整の対象者は、基本的にはその年中に支払額が確定した給与(賞与を含む)の総額が2,000万円以下、かつ、「扶養控除等申告書」を雇用主に提出している従業員の方です。
また、年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除の適用を受けるには「配偶者控除等申告書」、生命保険料控除の適用を受けるには「保険料控除申告書」も合わせて雇用主に提出する必要があります。
雇用主は、年内最後の給与の支給までに、従業員からこれら「申告書」の提出を受けた上で、各所得控除の要件を満たしているかを確認し、年税額の計算に取り掛かることになっています。
国外に扶養親族がいる場合など、「申告書」だけでなく一定の証明書の提出・提示を受けて確認が必要な控除もありますので、年内にきちんと書類をそろえておく必要があります。

年内に準備を始めておいた方がよい手続き

源泉徴収票の交付・法定調書の提出

期限は翌年1月末ですが、年末調整後速やかに準備に取り掛かった方がよいでしょう。
この際に、年末ギリギリのところで配偶者・扶養親族に異動(結婚・離婚、出生・死亡など)や各種控除の要件(その年の所得金額など)に変更があれば、年末調整の再計算が必要になりますので、速やかに連絡するよう全従業員にメールなどで注意喚起しておくことをおすすめします。

償却資産申告書の提出

法定調書と同じく期限は翌年1月末です。
申告対象は、毎年1月1日時点で所有する償却資産(事業の固定資産で土地や無形固定資産以外のもの)です。
年中から償却資産台帳をつけていれば、それを申告書に転記するだけで済みますが、そうでない場合は、年中に取得・売却・廃棄した償却資産がないかを確認するところから始めなければなりません。特に所在がわからない償却資産を探すには手間・時間がかかりますので、早めに手を付けておいたほうが無難です。

源泉所得税の納付

毎月納付している場合は、それほど心配しなくてもよいかも知れませんが、「納期特例」を受けていて半年ごとにまとめて納付をしている場合は、納付忘れに気を付けましょう。
7月~12月の年後半に徴収した所得税の納期限は翌年1月20日です。
源泉徴収が必要な経費の支払いを早めに済ませて納付額を年内に確定しおくと良いでしょう。
所得税の年末調整の再計算があると、1月の納付額も変更になります。
納付額を早めに確定させるには、先述のように、年内のうちから全従業員に対して配偶者・扶養親族の異動について注意喚起をしておいたほうが無難です。

所得税の申告

期限は翌年3月15日(2019年分所得税の確定申告期限は2020年3月16日)です。

決算の準備

個人事業者の方は決算書(収支内訳書)の作成も必要です。
年内に1月から11月までの経理を済ませておいて、年明けすぐに12月分の作業に取り掛かれるようにしておくと、スムーズに決算がすすみます。
決算を迎えるまで気づかなかった未払金や未収金もあるかもしれません。前倒しできる作業は年内に終わらせて、日頃見落としがちなことにまで注意を払えるように年明けの決算スケジュールに余裕をもたせたいところです。

控除証明書等の整理・確認

生命保険料の控除証明書、株式の配当金計算書、寄付金の受領書、住宅ローン残高の証明書、証券会社からの取引報告書など申告書作成時に参照する資料が一通りそろっているか年内に確認し、見当たらないものがあれば早めに再発行を依頼しましょう。

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所得税の確定申告書の作成そのもにはそれほど時間はかかりません。
時間がかかるのは、資料の整理と内容の確認です。
そこを年内に済ませておけば、ご自分で申告する、税理士に依頼する、のいずれの場合でもスムーズに事が運びます。

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