Takashi Yamaguchi, English Speaking Japanese Tax Accountant
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確定申告相談

所得税の確定申告、毎年している方はともかく、初めてという方にとっては、何から始めればよいのか戸惑うことが多いと思います。
税理士に頼むのも一案ですが、まずは無料の相談会などを利用してみて、ご自分で何とかなりそうか見当をつけてからでも良いのではないでしょうか。
ただし、相談会をうまく利用できるかは、相談会の選び方と事前準備がポイントになります。

無料の申告相談

公的な無料の確定申告相談として以下の3つがありますが、それぞれ「できること」に違いがあります。

確定申告電話相談センター

各国税局が主催するものです。
最寄の税務署に電話して自動音声案内で、

  • 0番「個人の確定申告に関する相談、申告書等の送付や相談会場に関するお問い合わせ」→3番「その他確定申告に関する相談」
  • 1番「相続税・法人税・印紙税などの相談」→1番「所得税」

を選択すると、その税務署の管轄の国税局の電話相談センターに転送されます。
基本的には、所得税全般の質問に対応することになっています。
といっても、電話での相談ですから、内容によってはすっきりと回答してもらえないこともあります。
電話の向こうの応答者は、相談者がもっている書類や資料をみることができませんから、「ここにこう書いてある」とか「これはどういう意味」とか聞かれても、何を聞かれているのか確認するところから始めなければなりません。
電話相談センターをうまく活用するには、相談者の方にも工夫していただく必要があると思います。

私自身も電話相談センターに従事したことがありますが、その経験から思うに、実際に申告書を自分で作り始めた方が、分からないところをピンポイントで質問する場合や、申告書を作成する前の一般的な事柄(申告の要否、所得区分の判定、税務用語の意味など)の確認に向いている相談方法だと思います。
具体的な事案に基づいて、申告書の書式を作成したり所得・税額の計算をしたい場合は、電話相談センターではなく、次にご紹介する対面方式の相談会場をおすすめします。

税務署主催の相談会場

2019年(令和1年)分の所得税の確定申告期間は2020年2月17日から3月16日までです。
この間各税務署が相談会場を設けます。
税務署によっては相談会場は税務署外の特設会場になることもあります。
相談会場の場所等は下記の国税庁のHPで紹介されています。
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r01/kakushin_kaijo/index.htm

税務署主催の相談会は担当者と対面での相談が受けられるので、電話相談よりも話が通じやすいと思います。
特に、漠然とした質問や事実関係が事情な場合は、一緒に資料などをみながら検討できますから、相談者・担当者双方にとってやりやすい方法といえます。
また、税務署内の相談会場の場合は、作成した申告書をそのまま提出することもできて便利です。

もっとも、どの相談会場も込み合っていて、受付を済ませてから実際に担当者に案内されるまで結構待たされる可能性が高いです。
体調がすぐれない方、小さなお子さんをお連れの方などにとっては、結構過酷な環境になるかもしれません。
また、相談会場でも申告書のすべてを担当者が作成してくれるとは限りません。
後に説明しますが、現場の過酷な環境下での作業を減らすため、会場に向かう前に「事前の準備」をしておくことをおすすめします。

税理士会主催の相談会場

税理会が主催する相談会場もあります。
税務署と協力している相談会場は、国税庁のHPにも掲載されています。
各税務署の相談会場の案内に続いて「税理士による無料申告相談 ~申告書を作成できます~」の開催について‥などというタイトルで告知されていることがあります。

税務署主催の相談会と違って、開催時期は会場ごとにバラバラですし、相談できる内容も「何でも来い!」ではありませんので、事前のチェックは欠かせません。
電子申告に対応している相談会場なら、その場でデータ送信して完了できますが、そうでない会場や申告内容によって電子申告できない場合は、会場で作成した紙ベースの申告書を自分で税務署に提出する必要があります。
会場によっては、申告書受領のために税務署職員の方が出張していることもありますが、そうでない場合は税務署に持参するか郵送しなければなりません。

事前の準備(その1)申告書の書式の確認

相談会場に行く前に所得税の確定申告書がどのようなものか一通り目を通しておくことをオススメします。
「申告書」といっても、申告内容によって追加で作成・添付しなければならない「明細書」もあります。
そのイメージをもっていただくだけでも、担当者との会話が円滑になると思います。
これから自分がどこに向かうのか、事前に地図で確認するようなものです。
書式を見ることで、申告書を作成するにあたってどのような情報が必要になるかも見当がつきます。

以下ご紹介する所得税の確定申告書・明細書の各書式と「手引き」は下記のリンクから入手することができます。https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/yoshiki.htm

申告書A様式・B様式(申告書第一表・第二表)

所得税申告書の本体にあたります。
A様式とB様式があります。
A様式を使用できるのは、申告する所得の種類が給与所得、公的年金等・その他の雑所得、配当所得、一時所得のみで、かつ、予定納税額のない場合です。それ以外の場合はB様式を使います。
まず、第二表から作成し、項目ごとに第一表に転記していくようになっています。
申告内容に応じて、後述する明細書などをこれら2表に追加していきます。

医療費控除等の明細書

医療費控除を取りたい方は「医療費控除の明細書」を作成します。
セルフメディケーション税制を取りたい方は「セルフメディケーション税制の明細書」を作成します。
これらの税制は同時に適用できませんから、いずれか一つを選択をして作成します。

「医療費控除の明細書」については作成支援ツールとして「医療費集計フォーム」といExcelファイルが用意されています。
こちらのリンクからダウンロードできます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/h30_iryouhi-download.htm

住宅ローン控除の計算明細書

正式名称は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」です。
初めて住宅ローン控除を適用する年分の確定申告にあたっては、この明細書以外にいろいろな書類の添付も必要になります。

確定申告書(分離課税用)(申告書第三表)

分離課税の対象となる上場株式・不動産の譲渡所得を申告する場合は、この「第三表」が申告書本体に追加されます。
上場株式の配当所得について総合課税ではなく「申告分離課税」を選択する場合も必要になります。

株式等の譲渡所得等の金額の計算明細

上場・非上場にかかわらず、株式を譲渡した年の確定申告書にはこの計算明細を添付します。

譲渡所得の内訳書【土地・建物用】

土地・建物を譲渡した年の確定申告書に添付します。

事業・不動産の貸付(決算書・収支内訳書)

事業所得や不動産所得を申告する方は、これらの書式も確定申告書に添付します。
税務署長から「青色申告」の承認を受けている方は「決算書」、そうでない方は「収支内訳書」を作成・添付します。

申告内容確認票(損失申告用)(申告書第四表)

事業所得・不動産所得が赤字だった年(青色申告書を提出できる年に限ります)、株式・不動産の譲渡によって損失が発生した年に申告書本体に追加します。

事前の準備(その2)必要書類

ひととおり、自分に必要な申告書・明細書を特定したら、次にその作成する際に必要になる資料を集めます。

源泉徴収票等

給与所得を申告する方にとって「給与所得の源泉徴収票」は必須アイテムです。

控除証明書等

給与から天引きされている社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)は源泉徴収票をみれば分かりますが、それ以外に自分で支払った社会保険(国民年金、国民健康保険)の保険料の控除には「控除証明書」や「納付証明書」などが必要です。
たいていの場合は、年明けにハガキでお知らせが届きます。
無くしたときは年金事務所(国民年金)、健康保険組合(健康保険)・市区町村(国民健康保険)に再発行を依頼しましょう。

住宅ローン控除関係書類

まずは、銀行・ローン会社から送られてくる「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が必要です。
その他に、初めて住宅ローン控除を適用する年は、申告書といっしょに税務署に提出しなければならない書類があります。

必要とされる書類は購入した家屋が新築か中古か、その仕様によって異なります。
詳しくは下記のリンクにある「住宅借入金等特別控除チェック表」をご覧ください。https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/topics/tokushu/pdf/kojo01.pdf

譲渡所得関係書類

株式等の有価証券、不動産を譲渡した方は、その譲渡による収入、譲渡した資産の取得費、譲渡に要した経費をもとに譲渡所得を計算して申告します。
その計算のベースとなる資料を確保しなければなりません。
不動産の譲渡については、もともと買ったときの売買契約書(取得費等の確認)、売ったときの売買契約書(譲渡金額等の確認)ともに必要になります。
上場株式の売買については証券の保護預け先の証券会社等から交付される売買取引報告書などが資料となります。

会場に持っていくもの

下書き・集計

できれば、申告書の書式を事前に入手し、軽く下書きしておくことをおすすめします。
実際に自分の手を動かすことで、足りない資料に気づいたり、相談会場で質問すべき不明点がわかってくると思います。

繰り返しになりますが、相談会場は混雑していますし、資料を広げて作業できるようなスペースがあるとは限りません。
申告書・明細書に記入すべき金額の集計を自宅で済ませておけば、当日会場での作業とストレスを減らせると思います。

マイナンバー確認資料

確定申告書にはマイナンバー(個人番号)を記載することになっています。
会場でそのまま申告書を提出する予定の方は、マイナンバーを確認できる資料として次のうちいずれか一点が必要です。

  • マイナンバーカード(顔写真入りのICカード)
  • 個人番号通知カード(市区町村が発行する紙製のカード)
  • マイナンバーの記載のある住民票の写し、又はマイナンバーの記載のある住民票記載事項証明書

身元確認資料

マイナンバーカード(顔写真入りのICカード)は身元確認資料も兼ねますので、マイナンバーカードを会場にお持ちの方は身元確認資料は不要です。
それ以外の資料でマイナンバーを確認する方は、身元確認資料が必要です。
「個人番号通知カード」はマイナンバーカードではありませんので、身元確認資料も必要です。

以下の書類が典型的な身元確認資料です。顔写真入りのものは1点、顔写真なしのものは2点必要になります。

  • 運転免許証
  • 公的医療保険の被保険者証(保険証)
  • パスポート
  • 身体障害者手帳
  • 在留カード

印鑑

紙ベースの申告書を提出する場合は、捺印が必要です。
認印で充分です。

申告書添付書類

紙ベースの申告書を提出する場合は、添付書類もご用意ください。
源泉徴収票など一部の書類は添付不要になりましたが、社会保険料、生命保険料の控除証明書など所得控除額の証明書類はいまだに添付が必要です。2019年分申告から添付不要となる書類についてはこちらのリンクを参照ください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0019003-121_01.pdf

***

確定申告に関する情報・書式は国税庁のHPで入手できます。
ただし、HPのデザインがわかりにくく、税理士ですら必要な情報・資料にアクセスするのに苦労することがままあります。
それに比べて「確定申告書等作成コーナー」は比較的使い勝手が年々改善している感じがします。
その意味でも、書式を探すのに苦労して、さらにダウンロードしたものを手書きするよりも、「作成コーナー」を利用するほうが圧倒的に楽です。
「作成コーナー」への誘導を狙って意図的に使いづらいHPのままにしているのではないかと勘繰ってしまいます。

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